真空成形と圧空成形の違いとは?

真空成形とは?

真空成形とは、熱を加えることにより、熱可塑性のプラスチックシートを軟化させた後に、真空によりシートを成形型に密着させて一定形状に成形する加工方法です。また、真空成形後にプラスチックシートを冷却して固化させ、後工程で余分な部分を切断する(トリミング)ことで、製品が完成します。

圧空成形とは?

圧空成形とは、熱を加えることにより、熱可塑性のプラスチックシートを軟化させた後に、真空と同時に圧縮空気を送り込み、シートを成形型に密着させて一定形状に成形する加工方法です。

つまり、真空成形が真空吸引力つまり”マイナスの空気圧”を使用することに対し、圧空成形では、真空吸引と圧縮空気つまり”マイナスとプラスの空気圧”を併用するのです。どちらも空気圧を用いて、樹脂を一定形状に成形するため、広義では同様の加工方法であるともいえます。

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真空成形と圧空成形のどう違う?

では、この似て非なる真空成形と圧空成形は具体的にどのように違うのでしょうか。下記にてご紹介します。

圧空成形では、よりシャープな形状を成形できる!

真空成形と比較すると、圧空成形はその加工方法の特性から、”射出成形”に匹敵するシャープな形状が成形でき、優れた寸法精度を実現できます。いわゆるアンダーカット形状の製品など様々な形状に対応することが可能です。

輸送機器用内装部品(ABS 圧空成形品)

ただし、圧空成形の型費は高価である!

真空成形と比較すると、圧空成形は型費用が高価であるといえます。その理由としては、下記3点が挙げられます

①型が当たる部分が意匠面となる

真空成形は型に当たっていない面が意匠面となり、圧空成形は型に当たる面が意匠面になります。そのため、圧空成形では意匠面として使用できるほどの仕上がりが成形型の表面に求められます。

②耐久性のある金型が求められる

圧空成形では圧縮空気により大きな圧力がかかるため、耐久性のある成形型(金型)が必要です。一方で、真空成形では、ロット数に応じて木型・樹脂型・金型の使い分けを行うことが可能です。

真空成形の成形型 ~形状と材質~

③凹型の成形型が求められる

圧空成形は、加工方法の特性上、凹型が必要となります。一般的に真空成形で多く用いられる凸型と比較すると、この凹型は型材料費・加工費用も高くなる傾向があります。

これらの3つの理由から圧空成形の型費は真空成形よりも高価となるのです。

真空成形・圧空成形のことなら、三栄プラテックにお任せください!

いかがでしたでしょうか。今回は真空成形と圧空成形の違いについてご紹介しました。

三栄プラテックでは、真空成形・圧空成形・熱プレス成形から切削・溶接・組立まで一貫して対応しております。特に真空成形・圧空成形においては、外観品質の要求が非常に厳しい輸送機器関係の成形品を多数手がけてまいりました。ショックラインの少ない仕上がりの綺麗な真空成形品を製作することを得意としております。

また、当社では、お客様からご相談いただけましたら、そのご要望に最適な成形条件(成形型、材質等含む)をご提案することが可能です。真空成形・圧空成形のご依頼でお悩みをお持ちの皆様、まずは三栄プラテックにご相談ください。

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