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プラスチックシート

当社が使用する材料のほとんどがシート(板、プレート)状のプラスチックです。
このプラスチックシートは様々な樹脂種があり、厚みが0.2mm~100㎜以上など、多くの種類があります。
当社ではこのシート状の材料を中心に使用して熱成形、溶接接着組立、切削など多く加工しています。
市販されているプラスチック材料の形状はペレット(粒)、パイプ、丸棒、シートがあります。
この中でもっとも一般的なのはペレットとパイプです。
ペレットは射出成形、押出成形、ブロー成形など多くの成形に使用されます。大量生産向きの素材です。
当社では全く使うことはありません。
パイプは押出成形で製造されたものがほとんどで水道管など多くの量が流通しています。
当社では塩ビパイプ、アクリルパイプ、ポリカーボネートパイプを使用して加工することが多々あります。
丸棒はエンプラなど工業分野の部品切削の主力となる材料で多様な機能の材料が流通しています。
当社も一部切削加工に使用します。

この中でもプラスチックシートはかなり高価な材料といえます。
それは多品種少量に向いた材料で流通量が少ないことが理由と考えられますが、その分、上質な材料です。
分子量が高く発色や光沢がよくとても美しく、透明性も高いです。
また、少量多品種向けの製法が多く(真空成形や熱プレスや重合接着、溶接組立など)、特に大型な製品に向いているといえます。
私たちはこのすばらしい材料の持つ可能性を常に追求し、お客様に喜ばれる製品・部品造りに励んでおります。

プラスチックとは

語源はギリシャ語の「プラステイコス」といわれどんな形にもなるという意味があります。
物質として一言で言うと高分子で可塑性のある人工的に製造した化合物と定義します。
合成樹脂ともいいます。一般的に樹脂と呼ぶ場合も合成樹脂を差していることが多いです。

プラスチックは熱に対する性質で2つに分類すると「熱可塑性樹脂」と「熱硬化性樹脂」に分けられます。

熱可塑性樹脂

常温では硬いが熱を加えると軟化してこれを冷やすと、そのままの形状で硬くなります。
再び加熱して軟化させて別の形状にしてまた冷やして形状を固化することが出来ます。
このように熱を加えたり冷やしたりするたびに形状を変えれる性質をもつ樹脂を「熱可塑性樹脂」といいます。

当社は熱成形を多用するすることからほとんどこの熱可塑性樹脂を使用します。

熱可塑性樹脂には以下のものがあります。

汎用プラスチック

日用品や包装資材などの一般的な用途に大量かつ安価に生産されているプラスチックです。

樹脂名 英名 略称
ポリ塩化ビニル polyvinylchloride PVC
ポリエチレン polyethylene PE
ポリプロピレン polypropylene PP
ポリスチレン polystyrene PS
ABS樹脂 acrylonitrile-butadiene-styrene resin ABS
アクリロニトリルスチレン共重合体 acrylonitrile-styrene copolymer AS
ポリメタクリル酸メチル(アクリル) polymethylmethacrylate PMMA
ポリビニルアルコール polyvinylalcohol PVAL
ポリ塩化ビニリデン polyvinylidenechloride PVDC
アクリロニトリルスチレンアクリルゴム共重合体 Acrylonitrile-Styrene-Acrylate resin ASA

エンジニアリングプラスチック

機械や設備の部品など工業的な分野で、主に耐摩耗性、耐熱性、強度などの機能を強化して金属の代わりに使用されるプラスチックです。
エンプラと略称されます

汎用エンプラ

樹脂名 英名 略称
ポリアミド polyamide PA
ポリエチレンテレフタレート polyethyleneterephthalate PET
ポリアセタール(ポリオキシメチレン) polyoxymethylene POM
ポリカーボネート polycarbonate PC
ポリフェニレンオキシド polyphenyleneoxide PPO
ポリブチレンテレフタレート polybutylene terephthalate PBT
超高分子量ポリエチレン ultra high molecular weight-Polyethylene UHMW-PE
ポリフッ化ビニリデン polyvinylidenefluoride PVDF

スーパーエンプラ

汎用エンプラに対して、機械的性質、耐熱性などの性質が格段に優れたエンジニアリングプラスチックをいいます。特殊エンプラともいいいます。

樹脂名 英名 略称
ポリスルホン  polysulfone  PSU
ポリエーテルスルホン  polyethersulfone  PES
ポリフェニレンスルフィド  polyphenylenesulfide  PPS
 ポリアリレート  polyarylate  PAR
 ポリアミドイミド  polyamide-imide  PAI
 ポリエーテルイミド  polyetherimide  PEI
 ポリエーテルエーテルケトン  polyetheretherketone  PEEK
 ポリイミド  polyimide  PI
 液晶ポリマー  liquid crystal polymer  LCP
ポリ四フッ化エチレン polytetrafluoroethylene PTFE

熱硬化性樹脂

望む形状にするときに必ず加熱します。
流動性のある樹脂を一定の型に入れておくと重合を起こして硬化します。
一度固まったものは再び加熱しても二度と軟らかくはならないので再成形はできません。
このような性質をもった樹脂を熱硬化性樹脂といいます。

当社では前述の熱成形できない性質から熱硬化性樹脂の使用は少ないですが、切削加工など熱成形以外の加工はあります。

樹脂名 英名 略称
フェノール樹脂 phenol-formaldehyde resin PF
ユリア樹脂 urea-formaldehyde resin UF
メラミン樹脂 melamine-formaldehyde resin MF
不飽和ポリエステル unsaturated polyester resin UP
エポキシ樹脂 epoxy resin EP
ジアリルフタレート樹脂 polydiallylphthalate PDAP
シリコーン樹脂 silicone resin SI
ポリウレタン polyurethane PUR

 

特性一覧

当社でよく扱う種類のプラスチックシートの特性一覧です。

◎特に良い ○良い △どちらともいえない ×良くない

樹脂名 耐衝撃性 耐熱性 耐溶剤性 耐候性 難燃性 透明性 比重
アクリル × × 1.2
塩ビ × 1.45
ポリカーボネート × 1.2
PET樹脂 × × 1.2
ポリプロピレン × 0.96
ABS樹脂 × 1.07
ポリエチレン × × 0.96
ポリアミド  ○ ×  1.1
ポリアセタール × 1.4
PTFE × 2.0

加工特性一覧

当社でよく扱う種類のプラスチックシートの加工特性一覧です。
その樹脂種にそれぞれの加工をした場合、よい結果を得られるかをあらわしています。

例)
ポリカボネート 接着 △
理由 接着は出来るが、接着強度は高くない。面積が少し広いと白く濁り仕上がりが良くない。

◎特に良い ○良い △どちらともいえない ×良くない

 樹脂名 真空成形 R曲げ 接着 溶接 磨き
アクリル
塩ビ
ポリカーボネート
PET樹脂
ポリプロピレン × ×
ABS樹脂
ポリエチレン × ×
ポリアミド × × × ×
ポリアセタール × × × ×
PTFE × × × ×