真空成形の加工業者を選定する際のポイント

真空成形の依頼を検討する際、どの加工業者を選ぶかは製品の品質とコストを左右する重要な決断です。しかしながら、皆様も「自社が求める製品に最適な業者はどのように判断すればよいのか?」と迷われたこともあるかと思います。当記事では、真空成形とは何かを基本から解説し、試作から量産までを成功させるための業者選定における具体的なポイントを詳しくご紹介します。

真空成形とは?

真空成形とは、熱可塑性樹脂シートを加熱し軟化させた後、金型の上に密着させ、シートと金型との間の空気を抜き取る(真空にする)ことで、シートを金型の形状通りに成形する加工法です。真空成型の金型は凸凹のどちらか片側のみで良いため、両側の金型が必要な射出成形と比較すると、初期費用(金型費用)を抑制できます。この真空成形は、大きく単発成形と連続成形の2種類に大別することができます。

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単発成形・連続成形の違い

単発成形は、主にロールにできない厚み(2mmから6mm程度が多い)のプラスチックシートを成形する加工方法です。シートを成形型よりも一回り大きいサイズでカットし、それを作業者が手動で成形機に1ショットずつセットします。このため、大面積で肉厚がある製品や、多品種少量生産に適しています。製作される製品は、車両や重機の内装・外装部品、広告看板、住宅設備部品、アミューズメント関連などの分野で多く使われています。

対して連続成形は、ロール状に巻かれた0.2mmから1mm程度の薄いシートを使用して、連続で成形を行う方法です。トリミングもトムソン型などで打ち抜くため生産性が非常に高く、低コストでの大量生産に向いています。主にブリスターパックやトレイなど、包装・搬送分野で用いられています。

真空成形の加工業者を選定する際のポイント

ポイント①:単発成形か連続成形であるか見極める

上述の説明の通り、「単発成形」と「連続成形」はまったく異なる加工方法であり、適した製品も全く異なります。

そのため、対象製品が「単発成形」と「連続成形」のどちらにあたるかを見極め、それに対応した設備を持つ業者を選定することが重要です。依頼内容と加工業者が対応する成形方式が一致していれば、無駄な手間等を省くことが可能です。

ポイント②:求める製品のサイズに対応できるか

次に、製作を依頼する製品の寸法が、業者の保有する成形機の加工可能サイズに対応しているかを確認する必要があります。

なぜなら、各加工業者が対応できる製品サイズは、保有する真空成型機に依存するためです。(各真空成形機には、成形できるシートの最大サイズが決められています。)

特に大型の製品(例:長さ2,000mmを超えるなど)や、特殊な形状の成形が必要な場合は、そのサイズに対応できる設備を保有している業者に依頼しなければなりません。事前に製品の設計寸法を業者に伝え、対応の可否を確認することが不可欠です。

ポイント③:提案実績・製作実績が豊富であるか

委託を検討している業者が自社の要望に近い製品の提案実績や製作実績を豊富に持っているかどうかを確認した上で、信頼性の高い業者を選定することを推奨します。

なぜなら、射出成形と比較すると、真空成形で成形できる製品は様々な制約があるからです。つまり、求める形状をどのように実現するか、細かく検討し設計に工夫を施すことが必要であるため、製品化にあたっては、豊富なノウハウを持った加工業者の協力が必要不可欠です。

提案実績・製作実績が豊富な企業であれば、委託業者から要望を加味した上で技術的な課題をクリアするために、最適な設計変更提案を行ってくれ、製品の実現可能性が非常に高まります。

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