
多層シートの真空成形でデザイン性向上を実現
皆様は、多層シートを活用した真空成形をご存知でしょうか。一般的にあまり浸透していませんが、多層シートを活用することで、真空成形品のデザイン性を向上できます。当記事ではそんな真空成形...
「燃えない」という安全性を追求する上で重要なFM規格とUL規格。これらの規格に適合した難燃性素材は、私たちの身の回りの様々な製品に活用されています。しかし、その一方で「難燃性素材って、加工できる工法が限られている」といった疑問をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、FM規格とUL規格の基礎知識から、これらの規格に適合した難燃性素材が、曲げ加工、熱プレス成形、さらには真空成形といった多様な加工方法で製作できるか詳しくご紹介します。
FM規格とは、アメリカに拠点を置く世界的な第三者認証機関であるFM Approvalsが定める工業・商業製品向けの性能規格です。特に、火災や爆発といった事故の悪化を防ぐことに重点を置いており、厳格な試験と評価を通じて製品の安全性を保証します。特に半導体関連の製造現場など、クリーンルームでの火災リスクが高い環境など難燃性が求められる用途で使用されます。
UL規格は、アメリカの非営利安全科学機関であるUnderwriters Laboratories(UL)が発行する製品安全規格です。FM規格と同様に、製品が安全に使用できるかを評価するもので、世界中で広く認知されています。UL規格には、電気製品、機械製品、防火製品など、非常に多くの種類があり、それぞれに細かな検査基準が設けられています。
UL規格におけるプラスチック材料の難燃性評価は、主にUL 94という燃焼性試験に基づいて行われます。この試験では、材料の燃えやすさや燃え広がりやすさなど、様々な燃焼特性が評価され、その結果に基づいてグレードが付与されます。成形素材では、HB、V2、V1、V0などがあります。これらのグレードは、製品の用途に応じて適切な難燃性レベルの材料を選択する際の重要な指標となります。
製品厚みにもよりますが、曲げ加工や熱プレス成形で上述の難燃性素材を加工することは可能です。ただし、素材の種類やグレード、加工条件によって最適な方法や注意点が異なります。難燃性を付与するために添加された成分や素材自体の特性によって、加工時の温度設定や圧力、速度などを調整する必要があります。
同様に、真空成形や圧空成形でも、難燃性素材を加工することは可能です。ただし、難燃性素材をこれらの方法で成形する場合には、加熱温度、成形速度、型の形状など様々な点に注意が必要となります。
したがって、真空成形や圧空成形を行う際には、素材の特性を十分に理解し、最適な成形条件を設定することが重要となります。また、事前に試作を行い、成形品の品質や難燃性能に問題がないかを確認することをおすすめします。
こちらは、塩ビ製のホッパーの製作事例です。使用用途上、難燃性が求められていたため、FM規格対応塩ビを採用しています。通常、このようなホッパー形状は2分割の溶接構造で製作されます。当事例では、要望のR精度を実現、型費のコストダウンを実現するために、円錐部分を3分割の溶接構造としています。3分割構造ですと、手作業では各端面の形状・寸法を綺麗に加工することはできませんが、当社では5軸のNCルーターを活用することでこの問題を解決しています。
いかがでしたでしょうか。今回は難燃性素材をシート成形できるか詳しくご紹介しました。三栄プラテックでは、真空成形・圧空成形・熱プレス成形・曲げ加工・フリーブロー成形から切削・溶接・組立まで一貫して対応しております。シート成形のことなら、当社にお任せください。