熱プレス成形に適した形状とは?

皆様は、熱プレス成形という加工方法をご存知ですか?当記事では、意外と知らない、熱プレス成形の概要と熱プレス成形に適した形状についてご紹介したいと思います。是非最後までご確認ください。

熱プレス成形とは?

熱プレス成形は、プラスチックのシートを加熱して柔らかくし、プレスすることで金型の形状を転写する加工法です。具体的には、加熱されたシートを金型にセットし、オスメス両型を用いて、プレス機で圧力をかけ、シート全体を均一に金型を押し付け、目的の形状を作り出します。これを冷却するとそのままの形状で固化し、常温で形状を維持します。

熱プレス成形

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熱プレス成形は、Rの大きい形状に適している

熱プレス成形は、その加工方法の特性上、幅広い形状の成形を行うことが可能です。

その中でも、特にRの大きいなだらかなカーブや曲面を持つ形状の成形に非常に適しているといえます。なぜなら、加圧によってシートが金型全体に均一に密着するため、エッジ部分が丸みを帯びやすく、シャープな角よりも滑らかなR形状が綺麗に成形できるためです。

産業機器用カバー(塩ビ 熱プレス成形)

つまり、反対に捉えると、シャープな形状を持つ場合には、熱プレス成形では実現できないケースがあります。

シャープ形状が必要な場合は、真空成形・圧空成形の方が良い

前述の通り、熱プレス成形は大きなR形状を持つ成形に優れていますが、複雑な凹凸やシャープな角、細かいディテールを必要とする形状には不向きな場合があります。このような場合は、「真空成形」や「圧空成形」などの成形方法が適しています。

真空成形とは、熱を加えることにより、熱可塑性のプラスチックシートを軟化させた後に、真空によりシートを成形型に密着させて一定形状に成形する加工方法です。この方法では、熱プレス成形よりもシャープな形状を作り出すことが可能です。

さらに高い精度や複雑な形状、そしてシャープな角が求められる場合は、真空成形に加えて圧縮空気を送り込んでシートを金型に押し付ける「圧空成形」が有効です。これは真空成形よりも強い圧力で成形するため、より精密で細かな形状の再現性に優れています。

輸送機器用内装部品(ABS 圧空成形品)

つまり、熱プレス成形は、美しいR形状や、厚みを均一に保ちたい製品に最適な加工法です。一方、シャープな角や複雑なディテールが必要な場合は、真空成形や圧空成形がより適しているといえます。製品の用途や求められる形状に合わせて、最適な成形方法を選ぶことが、品質の高い製品づくりには不可欠です。

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