樹脂の曲げ加工品における材質選定のポイント

樹脂の曲げ加工品には、アクリル、塩ビ、PC、PET、PEをはじめとした、幅広い樹脂材料が用いられています。

皆様は、これら樹脂の曲げ加工品における材質選定でお困りになったことはないでしょうか。仮に各樹脂素材の材料コスト・加工性・加工限界を押さえずに選定を行ってしまうと、「無駄に材料コストがかかった…」「歪が目立ち、製品として成り立たない…」なんてケースに陥ってしまいます。

そこで、当記事では、樹脂の曲げ加工品における材質選定のポイントを詳しく解説します。各樹脂の特性について触れますので、是非最後までご確認ください。

樹脂の曲げ加工品における材質選定のポイント

まず、曲げ加工品の材質選定にあたって、押さえておくべき要素をご紹介します。それは、①材料コスト、②加工性、③加工限界、④材質特性 となります。これらの要素をしっかりと押さえた上で選定することで、上述のような事態を回避することが可能です。

これらの要素に沿って、各樹脂材料を比較した図が下記となります。是非、材質選定時にご参考ください。

コストを抑制したい場合は、塩ビを選定する!

とにかく、コストを抑制したいという場合は、塩ビを選定することをお勧めします。塩ビは材料費が安い上、加工性・加工限界も良好であるため、曲げ加工に適した素材といえます。しかしながら、耐熱性が低いという欠点があるため、高温環境下での使用を検討している場合は控えた方が良いでしょう。

耐薬品性が求められる場合は、塩ビを選定する!

耐薬品性が求められる場合も同様に塩ビを選定しましょう。上述の通り、塩ビは材料費が安い上、加工性・加工限界も良好で、曲げ加工に適した素材です。この塩ビは、耐薬品性にも優れているため、薬品環境下でも問題なく使用可能です。

耐衝撃性が求められる場合は、PCを選定する!

耐衝撃性など強度が求められる場合は、PCが最適といえます。上図の通り、PCは耐衝撃性、耐熱性、難燃性に優れている素材です。一方で、材料費は高いので、コストと求められる特性を検討した上で、選定する必要があります。(※ただし、PCは指定サイズで調達できるため材料費自体は高いものの、無駄な材料費は発生しません。)

耐熱性が求められる場合は、PCを選定する!

上述の通り、PCは耐衝撃性、耐熱性、難燃性に優れている素材である一方、材料費が高い素材です。PCは曲げ加工に使用される素材の中でも最も耐熱性が高く、耐熱温度(連続使用)120℃となります。そのため、用途にもよりますが、高温環境下でも問題なく使用可能です。

難燃性が求められる場合は、PC・塩ビを選定する!

難燃性が求められるケースでは、PC、もしくは塩ビをお勧めします。PCも塩ビも双方とも難燃性に優れた素材です。コスト面だけを鑑みると、塩ビが安価ですので、その他の求められる特性を考慮した上で選定しましょう。

透明性が求められる場合は、アクリルを選定する!

透明性を求められる場合は、アクリルを選定します。透明の樹脂材料の代表格ともいえるアクリルですが、曲げ加工でも重宝されています。

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いかがでしょうか。今回は、樹脂の曲げ加工品における材質選定のポイントをご紹介しました。三栄プラテックでは、樹脂のR曲げ加工を得意としています。「樹脂の曲げ加工を検討しているが、最適な材質が分からない…」なんてお悩みがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。お客様のご要望に沿った最適な材質をご提案させていただきます。

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