
アクリル(PMMA)の曲げ加工における注意点
アクリル(PMMA)は、ガラスのような高い透明度と優れた加工性から、カバーやケース・看板など幅広い用途で使用されています。本記事では、そんなアクリル(PMMA)の曲げ加工における注...
アクリル(PMMA)は、ガラスのような高い透明度と優れた加工性から、カバーやケース・看板など幅広い用途で使用されています。本記事では、そんなアクリル(PMMA)の曲げ加工における注意点を解説し、高品質な曲げ加工品を入手するためのポイントをご紹介します。
アクリルの曲げ加工で特に注意すべきなのが「ケミカルクラック」です。これは、アルコールなどの有機溶剤や一部の接着剤がアクリルに付着することで、微細なひび割れが生じる現象を指します。 特に、曲げ加工によって内部に応力(目に見えない歪み)が残っている部分は、このケミカルクラックが非常に発生しやすくなります。
具体的な対策としては、全面加熱による曲げ加工が挙げられます。
前述の通り、ケミカルクラックは内部応力の残存が要因となりますが、折り曲げ加工含む部分加熱の場合、内部応力が残存しやすくなります。(※ただし、部分加熱であっても、2種類のヒーターを使うなど工夫を施すことで内部応力を最大限まで除去することも可能です。)
一方で、全面加熱を行えば、クラックが発生するほどの内部応力が残存することがなく、ケミカルクラックを根本的に防止することができます。
アクリルが多くの製品で採用される最大の理由は、優れた透明度と光沢感にあるため、仮に加工時に「型痕」がつくと製品の価値が大きく下がってしまいます。
この型痕を防止する効果的な対策としては、曲げ加工のR(曲げ半径)をなるべく大きく設計する方法が挙げられます。Rを小さく、つまり急な角度で曲げようとすると、材料にかかる負担が大きくなり、型痕がつきやすくなるのです。そのため、緩やかなカーブを描くように設計することで、応力集中を避け、美しい仕上がりを実現しやすくなります。
ただし、Rを大きくすれば問題ないというわけではなく、加熱時間の長さや型に押し付ける圧力の強弱により型痕の有無は大きく左右されますので、加工時にも細心の注意が必要です。
(ちなみに、三栄プラテックでは、材料厚みや曲げRから逆算し、加熱時間・型に押し付ける圧力を最適化し、型痕がつかない最適な加工条件を導き出すことを非常に得意としています。)
曲げ加工でコの字型などに成形した部品の側面に、さらに別の板を接着して箱状に組み立てるケースがあります。この場合、側面の板を「内側」にはめ込むのではなく、「外側」に被せるように取り付けることをお勧めします。

これには二つの理由があります。一つ目は、アクリルの透明性により、外側に板を貼り付けると、接合面が目立ちにくいという点です。二つ目は、製作上の難易度です。曲げ加工でできた内側の寸法にぴったり合う側板を正確に切り出して用意するのは、高い精度が求められ非常に困難です。一方で、外側に被せる場合は多少の寸法誤差も吸収しやすく、比較的容易に組み立てることができます。この小さな工夫が、製作の手間を減らし、完成度を高めることに繋がります。
三栄プラテックでは、樹脂のR曲げ加工を得意としています。「狙い通りのR寸法を実現する曲げ加工を行ってほしい…」なんてお悩みがございましたら、お気軽に当社にご相談ください。