樹脂の熱曲げ加工とは?熱曲げ加工の種類と加工工程をご紹介!
プラスチック(合成樹脂)の大きな特徴の一つに、熱を加えると柔らかくなり、冷やすと固まる「熱可塑性」があります。この性質を最大限に活かした加工が「熱曲げ加工」です。本記事では、熱曲げ加工の種類、工程、そして美しく仕上げるためのノウハウを詳しく解説します。
熱可塑性樹脂の特性を活かした”熱曲げ加工”とは?
熱曲げ加工は、射出成形のように素材をドロドロに溶かし成形するのではなく、樹脂シートを表面の質感や性質を保てる温度域で加熱・軟化させて、成形型等を用いて形状を与え、冷却することで固化・成形する加工方法です。
この加工方法の特性上、素材(プラスチックシート)の表面状態を維持し、そのまま仕上げとするため、最適な条件で熱曲げ加工を行わなければ、表面が軟化しすぎて「曇り」や「型跡」等の問題を引き起こします。また、プラスチックは金属に比べて熱収縮率が数倍大きいため、「ベコつき」や「形状異常」が起きやすいという繊細な側面もあります。
高品質な樹脂の熱曲げ加工品を製作するには、高度なノウハウと技術が不可欠ともいえます。
”熱曲げ加工”の種類
樹脂の熱曲げ加工は主に下記の2種類に分類されます。
R曲げ(炉曲げ加工)
当社では、ヒーターでは対応できない大きなR寸法や、より強度の高い形状を作る手法を「R曲げ」と呼んでいます。加熱した炉で材料全体を柔らかくしてから成形するのが特徴です。
基本工程
- R曲げ用の型を製作する。
- 材料を仕上げより一回り大きくカットする。
- 炉で材料全体を加熱・軟化させる。
- R曲げ型(オスメス型)にて成形する。
- 冷却・収縮後、精密に仕上げカットを行う。
直線曲げ(折り曲げ加工)
「直線曲げ」は、棒ヒーターなどで部分的に熱を加えて折り曲げる手法です。熱加工の中では比較的容易で、コストを抑えられるため頻繁に用いられます。
基本工程
- パイプヒーターにシートの曲げる箇所を当てる。
- 軟化したら所定の角度に折り曲げる。
- 冷却して形状を固定する。
「直線曲げ」と「R曲げ」の具体的な使い分け
どちらの加工方法を選ぶべきかは、「曲げ半径(R)」「精度」「コスト」のバランスで決まります。
| 比較項目 | 直線曲げ(ヒーター曲げ) | R曲げ(炉曲げ) |
| 得意な形状 | シンプルな角、単純な箱型 | 緩やかなカーブ、滑らかな曲線 |
| 曲げ半径(R) | 小さい(板厚と同程度〜数mm) | 大きい(R20mm〜など任意) |
| 加熱範囲 | 局所的(ラインのみ) | 全体的(または広範囲) |
| 寸法精度 | 普通(熱収縮による反りが出やすい) | 高い(全体収縮を計算し後加工するため) |
| コスト | 低い(型が不要な場合が多い) | 直線曲げよりは高い(成形型が必要) |
R曲げを選ぶべきケース
- 角に丸みを持たせ、安全性やデザイン性を高めたい場合。
- 広範囲にわたる緩やかな曲面が必要な場合。
- 残留応力(ヒズミ)を抑え、割れにくい製品を作りたい場合。
- 熱収縮による「反り」を最小限に抑え、高い形状精度を求める場合。
直線曲げを選ぶべきケース
- できるだけ小さいRで曲げたい場合。
- 加工コストを抑え、スピード重視で製作したい場合。
- 板厚が比較的薄く、単純な構造の場合。
樹脂の熱曲げ加工なら三栄プラテックにお任せください!
樹脂の熱曲げ加工は、単に「曲げる」だけでなく、樹脂の種類(アクリル、塩ビ、ポリカーボネートなど)や厚み、用途に応じた最適な手法の選択が重要です。
当社では40年以上の研究に基づき、材料の吸水履歴や気温による収縮の差まで考慮した精密な加工を行っています。「この形状は曲げられる?」「コストを抑えるにはどっち?」といった疑問がございましたら、ぜひお気軽にご相談ください。
