真空成形の成形不良対策:ブリッジ(しわ)編

真空成形は、熱可塑性樹脂シートを金型に吸着させて成形する加工法ですが、この工程で発生する成形不良の一つに「ブリッジ(しわ)」があります。この記事では、真空成形におけるブリッジの発生原因と、具体的な対策方法について詳しく解説します。

真空成形の成形不良:ブリッジ(しわ)とは?

ブリッジ(しわ)は、シートが金型の特定の箇所に密着せず、たわみ同士が張り付き余ってしまう現象を指します。製品の形状が正確に再現されないため、品質低下や歩留まりの悪化を招く深刻な問題です。

対策①:プラグアシスト

真空成形におけるブリッジは、シートが金型の深い部分や複雑な形状の隅々まで行き届かないことで発生することが多いです。この問題を解決する有効な手段の一つが「プラグアシスト」です。プラグアシストとは、加熱して軟化したシートを金型に吸着させる前に、プラグと呼ばれる補助具でシートを金型へ、均等に真空が働く位置まで近づける技術です。

これにより、シートが特定の箇所で張り付き余ったりするのを防ぎ、金型の形状に忠実に沿わせることができます。特に、絞り形状や、複雑な凹凸を持つ製品の成形には欠かせない技術です。

対策②:適切な温度管理

ブリッジの発生を抑えるためには、シートの適切な温度管理も非常に重要です。シートの加熱温度が不適切だと、シートが金型にうまく密着せず、ブリッジが発生しやすくなります。ただし、シートの加熱が足りないと、シートが型に沿わない甘い形状になる恐れがあります。そのため、シートへの加熱時の適切な温度管理が何より重要です。

この問題を解決するためには、ヒーターの配置や出力、加熱時間を適切に調整し、シート全体を均一に加熱することが不可欠です。

対策③:製品にならない部分へブロックを設ける

基本的には、上述の2つの対策がメインですが、さらにブリッジを抑制するためには、製品にならない部分へブロックを設ける方法もあります。この方法では、ブリッジが発生するすぐそばの場所(製品にならない部分)へブロックを設けることにより、ブリッジのたわみを減らすように調整します。

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